お金入門 vol.5
vol.5は「同一労働同一賃金」についてです
第5回テーマ「同一労働同一賃金」
●同一労働同一賃金とは
現代では働き方が多様化しています。そのため、それぞれの働き方についての制度面での見直しや改定が進められています。
その中でも代表的なものが「同一労働同一賃金」です。
この制度は、正規社員と非正規社員の待遇差について、不合理なものは無くしていくという取り組みです。
正規社員とは一般的に所定労働時間の上限まで働くフルタイムの従業員のことです。通常労働期間の定めもありません。
しかし、今では働き方も多様化し、企業の取り組みで様々な働き方が可能となってきています。
非正規社員では、契約社員や派遣社員、パートやアルバイトなど雇用形態は様々です。
こうした雇用形態に関わらず、業務内容や責任の程度が同じであれば待遇差があってはならない、というのが「同一労働同一賃金」の考えです。
●非正規社員の保険制度
非正規社員でも様々な保険制度が適用されます。
下記の表を参考に、どの制度が適用され、どの制度が適用対象外なのか確認しておきましょう。
●派遣労働者の待遇
た、厚生労働省は、派遣社員の不合理な待遇差をなくすための整備として、派遣元は、「派遣先均等・均衡方式」、「労使協定方式」のどちらかの待遇決定方式を選択しなければならないと定めました。
【派遣先均等・均衡方式】
「派遣先の通常の正社員との均等・均衡を図って下さい」という制度です。
- 均等→職務内容(職務・責任の度合い・人材活用のしくみ)が同じならば、同じ賃金を支給
- 均衡→職務内容が異なる場合は、その違いに応じて賃金を支給しなければならない
〈派遣元へ提供する派遣先比較対象労働者の待遇等に関する情報(例)〉※派遣先均等・均衡方式のみ
雇用形態 | 正社員、非正規雇用 等 |
仕事内容 | 職種、部署としての仕事、個人の仕事 等 |
責任 | 権限/役割、トラブル/緊急時対応、所定外労働 等 |
転勤・人事異動の有無等 | 仕事内容の変更/範囲、転勤有無/範囲 等 |
待遇設定理由 | 比較対象とする派遣先の労働者を選定した理由 |
賃金 | 基本給、時間外手当、各種手当、昇給、賞与 等(賞与がない場合にはその理由を含む) |
休暇 | 夏季休暇、年末年始休暇、特別休暇、慶弔休暇 等 |
待遇 | 教育訓練、食堂や更衣室等の福利厚生施設の有無/利用可否 等 |
※その他、各待遇についての考慮事項 等
【労使協定方式】
「一定の要件を満たす労使協定による待遇をとる」という制度です。
派遣先の正社員に待遇を合わせるのではなく、派遣社員を含む労働組合または社員の過半数代表と労使協定を結び、それに基づいて派遣社員の待遇を決定する方式です。
派遣社員の待遇は、以下を指します。
●賃金待遇(基本給、通勤手当、各種手当、賞与、退職金)【派遣元の義務】
同じ地域、同じ能力/経験、で同じ仕事をしている正社員の、平均的な賃金水準と同等以上にする必要があります。
また、派遣社員の成果や能力などが向上したら賃金もアップします。
●賃金以外の待遇(食堂、更衣室、休憩室、教育訓練 等)【派遣先の義務】
こちらは派遣先正社員と同等以上の水準にする必要があります。
派遣先は食堂、更衣室、休憩室、教育訓練等の情報を派遣元に情報提供する義務があり、「派遣先均等・均衡方式」と同様に、情報提供をしないと労働者派遣契約を結ぶことは出来ません。
今後、さらに多様化するであろう働き方に伴い、様々な制度も施行されていきます。
あなたのライフスタイルに合う働き方、効果的な制度が選択できるよう情報収拾していきましょう。